骨盤って・・大事
■体の要(かなめ)である骨盤
骨盤矯正やダイエットに骨盤体操・産後に骨盤が開く、歪む・・・など近年、骨盤という言葉が随分身近な言葉になりました。骨盤は身体(からだ)の要であり、内蔵を歩いたり・走ったり動いたりする際にかかる上下運動の衝撃から守り、特に女性にとっては子宮などの婦人科系の臓器を守る大切な役目を果たしています。
■体のとって大切な骨盤の役割
骨盤は仙骨と寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)が合わさった複雑な形をしています。寛骨臼で大腿骨(脚の骨)と組み合わさって(股関節)連動しながら両足を前後に動かしてその際にかかる衝撃を抑えたり背骨を支える土台にもなっているので、背骨のS字カーブ(背骨は頭を衝撃から守る為、S字型に湾曲した構造になっている)と連動し色々な事から体を守る為のクッションになっています。骨盤は人体のほぼ中央に位置し、上半身と下半身の繋ぎ目の役割を果たしています。そして大切な内臓をホールドし、走ったり動いたりする際にも上半身と下半身のバランス調整の役割も果たしています。
こういったことが「カラダのカナメ」と言われる所以です。
男性・女性の骨盤
■その役割から男女で違う骨盤の形
骨盤の形は、男女によって最も特徴的な差がある骨格と言えます。
生まれた頃・幼児期は著しい差がありませんが、10歳頃から著しい差が現れはじめ思春期では完全に男女差ができます。同姓同士でも差は多少ありますが、男女では著しいのが特徴です。この差は女性が妊娠・出産をする為にです。
一般的に女性の骨盤は、分娩時に胎児が産道を通る為に、これに適した形態になります。この為男性に比べて女性の骨盤は横に広く縦に短い形をしています。男性は横に狭く、縦長の骨盤形状といえます。
歪が起こりやすいのは・・・
同じ人でもその役割から男女での骨格、特に骨盤の違いは理解できると思います。妊娠・出産ができる女性 の骨盤はその役割から歪(ひずみ)を生みやすいと言えます。■なぜ女性の方が骨盤が歪みやすいのか・・・?
一つには女性は男性に比べ脂肪が多く筋肉が少なく、骨盤を繋ぐ靭帯も軟らかく柔軟なことが言えます。男性は腰から臀部(おしり)~脚の筋肉もしっかりついていて(見た目にもわかりますね・・)骨盤をガッチリホールドしています。 骨盤《仙骨と寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)》を繋いでいる靭帯も妊娠・出産をする女性のものと比べ硬くしっかりしています。
二つ目には、これも妊娠・出産と関わっていることですが、女性には毎月の生理があるからです。生理が起こると同じくホルモンバランスの変動が起こります。生理前には卵巣からリラキシンという女性ホルモン
が分泌されます。このホルモンには、関節をゆるめる働きがあることが知られています
その時に、骨盤が開きまた閉まっていくことを自然にしています。このように、骨盤一つとってみても男性よりも女性の方がデリケートにできている為、骨盤の関節、靭帯などが男性に比べ緩みやすいことが言えます。
骨盤の歪んだ人
■近年、骨盤が歪んでいる人が増えている
骨盤の歪み~全身の歪みへ
日々、整体の仕事をしていて感じることがあります。
近年、運動不足などによる筋肉群の衰えも一因と思えますが、PCを使っての長時間作業やスマートフォンの普及による弊害もでてきている様に思えます。PCやスマホは大変便利なもので、現代生活には欠かせないものの一つであり私達は随分その恩恵を受けていると言えます。
問題はpcやスマホそのものよりもそれを使うときの私達の姿勢や時間にあります。腰を曲げて前かがみで長時間同じ姿勢でいると肩や背中・腰の筋肉は 凝り硬く張ってきます。その負担を和らげようと体を歪めたり、脚を組んだり私達は自然にしていますが、これが習慣付けられると骨格の歪を生んでいきます。
それと同じく、肩こり・頭痛・腰痛・股関節痛・だるい・疲れがとれないなど不快症状を生んでいくことになります。昔は体が凝ったり、歪みがあるのはわりと年配の人が多かったのですが最近では10代から歪のでている(骨盤の歪み・脚の長さが左右違うなど)人も多く目にするようになりました。
出産後は特に気をつけよう・・・
■妊娠~出産後は骨盤には特に気をつける時期です
これはおわかりになる方は多くいらっしゃると思います。
出産するために、骨盤はホルモンによって大きく緩みそして産後また徐々に縮んで戻っていく為体の変動が大きいからです。そして、出産にはストレスももちろん伴いますし、 ストレスは血管を収縮させ血流を悪くします。産後は子育てが始まることから、子供中心の生活に大きく 環境が変わります。まだちゃんと戻っていない体に歪を生む環境(授乳・だっこ・色々な家事・おむつ交換など前屈みの姿勢)と向き合って行かなければ成りません。
これも骨盤の歪みを作る大きな原因にあげられます。
また、近年では先に言ったとおり若い人の歪みも多くなってきています。
出産前より肩こりや腰痛をはじめ不定愁訴を多く抱えている女性も増えてきていますし、出産も高齢化しています。産科医療の現場でも、切迫流産・早産は増加傾向にあり危惧されています。その原因の一つとして骨盤のゆがみも報告されています。
ただ、調子が悪いとか悪い症状がすべて骨盤の歪が原因と言う事ではありません。内蔵疾患や他の病気との関連もありますし、調子の悪さや不快症状はイコール骨盤の歪では決してありません。しかし、腰痛や肩こり・頭痛・内蔵下垂・冷えなどの循環不良を引き起こす原因の一つになってるという考え方はあながち間違えではないと思います。骨盤が歪むとその上に付いている背骨にも影響がでます。
背骨が歪むと肩が歪み首・頭もその影響を受けます。また、骨盤の下には脚が付いています。骨盤が歪むと脚の長さに差がでてきたりします。すると、人間は立って生活する動物なのでそれが全身の歪に影響を与えます。こういった連鎖で体がゆがみ、歪んだ末に不快で辛い症状が現れるという悪循環のサイクルが生まれてしまいます。だから・・・骨盤はからだの要(カナメ)であると同時に健康にとっても大切な要なのですね。
骨盤矯正と整体
当院での整体は強引な力で矯正したり、骨をバキバキしたり致しません。
骨盤周りの緊張を丁寧に緩めながらとり、筋膜リリース法や仙腸関節の調整を行います。また、骨盤の歪と言っても骨盤だけでなく背中・腰や肩~首・脚といった全身の歪も目を向けて調整していきます。そして、骨盤矯正で大事なことは施術で筋肉や骨格の調整をすることはもちろんですが、「なぜ歪ができるのか・・・?」ということです。ほとんどの場合は日常生活や長年の習慣によるものが多いと思われます。そういったことも、カウンセリングでお聞きし丁寧にアドバイス致します。
この機会にあなたの骨盤をぜひ見直してみてはいかがでしょう。
そして歪を改善して、健康な毎日をお過ごし下さい。
※産後の骨盤調整は産後2ヶ月ほど経ってから受けることが望ましいでしょう。
なお、骨盤矯正以外の施術は産後2週間から受けることができます。ご本人の体調や持病がある方はこの限りではありませんので産科医などの指示がある場合、医師の指示に従って下さい。