人体における流れ(滞りとその原因)
生命はある一定の流れの中の秩序で成り立っています。この一定の秩序を保とうとする働きを生命の「ホメオスタシス」と言います。上の図のようにある筒の中を水が流れ渦巻きができているとします。 その流れをうまく保つには、筒の中の渦巻きがきれいに成り立っていなければ,なりません。入りすぎてもダメだし、出すぎてもダメ、中に何か障害物ができても渦巻きはきれいに保たれません。
この渦巻きが秩序よくきれいに成り立っている状態が人間に例えるなら健康な状態といえます。これを保つには、まず第一にOUT(出口)をきちんと確保し、第二にIN(入り口)をきちんと確保して入ってくる水の量をスムーズに一定させることです。 出て行く水の量が少なすぎれば、内部に水が溜まり過ぎて満杯になり水が淀んできれいな渦巻きもできません。
反対に、出て行く水の量が多すぎれば、内部が干からびて、渦巻きができる水すらなくなってしまいます。私達の生活に例えるなら、便通や発汗などを絶えずよくして、一定のほどよい排出を確保すると共に、排泄のし過ぎにも注意する必要があります。運動は健康にいいからといっても、やりすぎ(心拍に大きな負荷がかかる運動や持久力を多く必要とする運動)は「健康を保つ」という概念からは良くないとということになります。何でもそうです。健康にいいと言われる「食品」もそればかり食べていては、逆に「健康を害」してしまうということです。ただ、現代人にとって、一般的には排出がよくないケースがほとんどです。多くの人が便秘で悩み、あまり汗もかかずに過ごしています。 多量の排出すべき毒素を体に溜め込んでいる人が少なくありません食べ物の量もほどほどにして一定のスムーズな摂取を確保することが大切です。
私達現代人の多くは、入れる量が多すぎます。毎日食べきれないほどの食品を口にして、栄養価の高いものも多くとっています。質も量も過剰といっていいでしょう。 その上排泄も悪いとしたらどうなるでしょう?内部はいっぱいいっぱいでさきほど例えた渦巻きができる環境もありません。また、ダイエットに励む女性などは、入れる量もすくなければ、下剤などを使ったり排泄も多すぎたりします。 これも、きれいな渦巻きはできません。
東洋医学ではこの流れを気・血・水であらわします。 人体の中を気血水が縦横無尽に流れ、その流れの中で人間の生命が保たれています。この流れが秩序よく保たれていれば、人間は健康です。しかし、いろいろな原因でこの流れに障害が生じてきます。 その原因が、疲労・ストレス・飲みすぎ・食べすぎ・運動不足・偏食などです。流れが滞ったところの機能・エネルギーは低下します。そして、その部分に障害が生じてくるのです。 炎症や潰瘍・ポリープなどになってあらわれることもあるでしょう。また、そのようの障害に至らなくても、痛みやだるさ・こり・不快感・疲労感などとして感じられることはよくあります。
こうした症状を解消するにはどうすればよいでしょうか?答えは、気血水の滞りを解消することです。流れをうまくもう一度復活させてあげることです。その基本的な具体的方法は、温める・なでる・さする・灸や鍼・整体やマッサージなどをする・運動などをして発汗をよくする。 便通をよくする・気を入れたり抜いたりする・流れをよくする薬(漢方など)や食品をとる・などがあります。流れが滞った川には何もしないでいるとヘドロがたまってくるように、人体も同じで体内の流れる細い川はなにもケアをしないでおくと詰まり始めて体調が悪くなります。
なにかとストレスが溜まったり、時間におわれたり、食環境を見渡しても川がにごりヘドロがたまりやすいのが現代の社会環境です。こういった滞りは日常の生活習慣と密接に結びついています。 こういった滞りをなくすためにも自分の環境に気づきライフスタイルを改善し、自分自身をケアをしていきましょう!こりや痛みや嫌な症状もこれ以上ひどくならないようにこういったことに気づかせるために起きているのですから・・。